1キャラにつき1夢主
松田・萩原夢は同一世界軸の生存ifです

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pass:DCdreAm
 おかしい。いや、マンションの入り口でインターフォンを押して呼び出した後、解錠操作から招き入れられた時点で気付くべきであった。エレベーターを上がって玄関まで訪れた萩原は、自分好みにセットされた端正な顔がよく見える髪型に、今日のために用意された色気のある浴衣姿で現れた歳上の恋人に息を呑んだ。思わず見惚れて立ち止まったのも束の間、当然のように組み敷かれ、熱に浮かされた獰猛な瞳であっという間に帯を解かれ、下着も脱がされて入念に解された後孔に熱を穿たれた記憶が蘇る。あれは明け方まで愛し尽くされた、一昨年の情熱的な体験だ。
 途端、目の前の男を誰の目にも触れさせたくないという独占欲に駆られて抱きつき、背後に施錠の音を聞く。思い出して堪らず自分で処理した程度には、この展開を期待していたことも事実ではある。
 つまりこれは、ある意味では予定調和だった。
「あっ、ん、ンッ♡ ひぁ、ア♡」
 ゆさゆさと体をゆすられ、最奥を甘く小突くような動きに萩原は体をしならせた。恋人の笑う気配に眉尻を下げて涙を溜めた萩原はどろりと白濁を溢れさせる。ぎゅうと締め付けた雄が弄ぶように胎内を動いた。
「ッあ゙、ぁ♡ んっ、ぅ、あ、あ!♡ や、だめっ♡」
「こら、暴れないの」
 するりと浴衣の上を滑った足を咎めるように荻谷がさらに体を密着させる。びくりと萩原の体が跳ねた。
「あ゙っ、や! や、や゙ぁ、ッ♡ それっ、そこ、だめっ♡」
「ん、ここ?」
「ひぁっ♡ あ゙、っア゙♡ だ、めって、っあ♡」
 目を細めて微笑む荻谷を睨み付ければ、上体が傾き抉る角度の変わったそれに性感が駆け巡った。抗議に開いた口からは意味の成さない音ばかりが溢れ、あやすような口付けに呼吸ごとすべてを呑み込まれる。ビクビクと震える萩原の体を抱き留めながら荻谷は捏ね回すように腰を振った。
「ん゙ぅ、ん、ンッ♡ ん゙、んん、はぁ、ぁ♡ あ!♡」
 身を捩って逃げようとするたびに引き戻され、ぐちぐちと粘着質な音と律動に合わせて軋むスプリングの音とが羞恥を掻き立てる。ずるずると引き抜かれていく怒張に萩原は思わず荻谷の背中にしがみついた。
「————ヒ、ぁ、あ゙、ああっ、あっ♡ あ♡」
 ずんと押し戻された圧迫感にぱちぱちと視界の奥が明滅する。や、だめ、いじわる。やだ、きもちい、だめ。ぐずぐずに蕩かされた頭で萩原は必死に目の前の厚い体に足を絡ませてしがみついた。小さく呻いて舌を打った荻谷に力が緩み上体を引き剥がされる。なんで。くっついていたいのは俺だけだったのか。折れそうな萩原の目の前に、眉間に皺を寄せて甘く熱い吐息を吐き出す荻谷の顔が照らされた。切羽詰まった眼光が艶めかしい。
 荻谷の視線が、今日に限って開け放たれたカーテンに移ったことが耐えきれず、萩原は荻谷の首に腕を回して唇を合わせた。
 ぽすりと体がベッドに押し戻される。
「っぁ、はぁ、せんぱい……♡」
 遠くに聞こえる花火の音を聞きながら、獰猛に欲を宿した瞳をまっすぐに見上げて足に力を入れた。深く迎え入れた剛直に萩原の背がしなる。
 的確に理性を溶かす扇状的なそれに荻谷はぐっと腹に力を入れた。沸々と湧き上がる熱が腰の奥底に溜まっていく。
「っいいの? 夏祭り、行けなくなっちゃうよ」
 せっかく今日のために浴衣まで買ったのに。
 それも一昨年、萩原がまさか浴衣で来るとは思わず、楽なシャツにスラックスで待ち合わせ場所まで行ったところ想定外に機嫌を損ね、来年は浴衣を着るという話でなんとか宥めたという経緯がある。その約束を果たすのが去年でなかったのは、お互いに仕事で予定が潰れたからだ。結局今日まで引き伸ばされた浴衣デートの顛末は、軽く緩められただけの帯に寛げられた襟合わせ、乱れた合わせから扇状的に晒される脚と飛び散った白濁が物語っている。
 とはいえ一昨年だってしっかりと着付けられた浴衣姿で拗ねる萩原を家まで連れ込んで朝まで抱き潰し、声の枯れた萩原が欠勤連絡を取ったことを確認してから出勤した。あのときは待ち合わせが初めから屋外であったため、誰の目にも触れさせることなく連れ去って閉じ込めてしまいたい欲求を押し殺したが、今年はどういうわけか萩原がマンションまで訪れたお陰でこのザマである。
「……行く気、あったんですか……?」
 よろよろと萩原の手が荻谷の襟を辿って合わせをはだけさせる。そのまま腹筋と胸板に触れた萩原は、揶揄うような声色にわずかな非難を滲ませて片眉を下げながら目を眇めた。こつりと萩原の額を小突いた荻谷は「研二くんがちゃんと行きたがったら流石になぁ」緩く律動を再開させて答える。直接素肌に触れる萩原の爪が、荻谷の背中に突き立てられた。
「ん゙っ、ゔ、ぁっ♡ だって、かっこ、よくて、っ」
 格好良くて、誰にも見せたくなくなって。快感に絶え絶えになりながらも言い切る萩原に奥歯を噛み締める。そんなものこちらだって同じことだ。なんなら前回あっさりと脱がせて抱いてしまったばかりに拝み損ねた、浴衣のまま乱れる可愛い恋人の姿を堪能している。前回も今回も自分に見せるためだけに悩んで選ばれた物というのがなんとも健気で愛らしく、熱の籠った瞳で迫られるというおまけ付き。これで襲うなと言う方が無理がある。
「せん、ぱい……っ♡」
 空に打ち上がる火薬の明滅で鮮明になる表情にキュンと荻谷を苛んだ萩原の足がシーツに落ちる。まずい、拘束もなく自由に動けるようにさせてしまっては、いよいよ身も蓋もなくめちゃくちゃに抱かれてしまう。でも今日はもう終わりかも。もっとくっついて、抱き潰されたって構わないのに。萩原は抜けていく熱杭を恨めしく思いながら手を離し、大人しく荻谷を見上げた。セットされた髪型が崩れ、重い前髪が荻谷の表情を曖昧に隠している。その隙間から伺える眼光でさえ、視線も心も釘付けにしてやまない。
「りつ、さん……なか、なか、っ出して。ゴム、いらない、からぁ」
「だーめ、大切にさせて」
「や、や、もっと————ッアああ! あ゙! ハ、ッあ゙!」
 扇状的に目を細めた荻谷は膝を立てると萩原の腰を持ち上げて一息に突き上げた。
 ズドンと圧し入った圧迫感に吐精した萩原を見下ろしながら激しく欲を叩きつける。しっかりと腰を捕らえられ、容赦のない性感に身を捩りながら奥まで埋め尽くされる息苦しさと満足感が萩原を襲った。
「ぁ♡ あ、あ! イった! イってる、からぁ! ア゙っ! だめ、おく、や、ヤぁ♡ せ、ん……っ♡」
「っふ……えっちで、かわいい、な」
 眉間に皺を寄せて口角を上げる荻谷を涙の膜越しに捉えた萩原は思わずキュンと剛直を締め付ける。小さく呻いた荻谷が最奥を突き上げびゅるりと欲を吐き出した。残らず注いで塗り込むように捏ね回してから引き抜く。枕にしがみつきながらビクビクと震える萩原を横目にゴムを付け替える。
「……りつ、さん」
 肩で息をしながらぼんやりと名前を呼ぶ萩原と唇を合わせ、甘えるように差し出された舌を絡めとる。荒い呼吸に粘着質な音が響く。
「んぅ、は、ぁ、ハァ……すき、もっと——」
 もっとシたい。欲しい。大好き。倦怠感でふわふわと譫言のように呟いた萩原はそのまま意識を手放した。